銀杏BOYZワンマンツアー 昭和100年宇宙の旅@KT Zepp Yokohama 2025年6月6日(金)

【ライブのネタバレを含みます】

2004年のROCK IN JAPAN、

SET YOU FREE FES、

2008年の荒吐とフェスでは何度か見てきたけど、ワンマンは今回が初めて。

チケットは1100番台、それでも回り込んでフロントエリアの中央付近まで到達。

始まると久しぶりの圧縮、圧縮、圧縮。

汗と涙でぐちゃぐちゃでした。

【1曲目:アーメン・.ザーメン・メリーチェイン】

BGMの音量が段々と上がりメンバーが登場。

ミディアムなテンポの演奏とともにフロントエリアは一気に中央へ押し寄せる。

最初はジャム演奏だと思っていたらミネタが歌い出す。

それはアーメン・.ザーメン・メリーチェインだった。

音源とはアレンジ違い。すでに客席は大合唱で拳を突き上げ圧縮状態、ミディアムテンポに合わせて圧縮の人々がうねる。

あ、圧縮が起こるんだと気づく。

そんなフロアの熱量とミネタを見ながら、そうだ、これは銀杏BOYZのライブだった。

実感しているうちに一曲目が終わる。

【2曲目:若者たち 】

短いミネタのMC、

「2025年6月!

YOKOHAMA ZEPPをぶっ壊しに来ました!銀杏BOYZ!2曲目!若者たち!」

はい、カオス。

あのイントロでフロアは覚醒と解放状態へ。ダイバー続出しさらに圧縮、圧縮、圧縮。

大合唱でミネタの声も時々しか聴こえないほど。

フロアの大合唱は熱量がすごいが、それを受け止めてなお、コーラスの中心にある声として響かせるミネタの歌は、存在感を放っていた。

17年を経ても変わらない部分の銀杏BOYZのライブを実感した。

【3曲目:NO FUTURE NO CRY】

イントロからオイコールでカオスのたたみ込み。2曲目の若者たちが着火剤だとしたら、この曲でさらに爆発力を増す。またもや圧縮状態で大合唱。

「We are not alone」と孤独へ寄り添い、

「希望をこめて百億の星を撒け」と腐らずに未来の希望を信じている。

「百億の星」がすでにあなたの中にある、という前提がそのまま肯定してくれる。

「気が狂いそうな夜を何度も越えて

おまえに会いたくて ここまで来たんだ」

ミネタが、アルバムとコロナ越しのツアー断念・再始動の思いを歌に込めていたことを感じた。

「NO FUTURE NO CRY」

「未来はないけど泣いちゃだめさ」

「未来はない」という言葉の強さに引っ張られてしまうが、「気が狂いそうな夜を何度も越えて」いる体験があり、「未来はない」と思ってしまうけど、「We are not alone」俺たちは独りじゃないと、「希望をこめて百億の星を撒け」とミネタは、私たちの目の前で希望を叫び続けてくれた。

ヒロトが「パンクロック」という曲で「ぼくパンクロックが好きだ ああ、優しいから好きなんだ」と歌っていた。

圧縮してダイバーがいて大合唱で状況はこんなにカオスなのに、パンクはこんなにも優しいんだと、改めて思った。

【4曲目::大人全滅】

そのまま轟音のまま大人全滅へ。

元はゴイステのアルバムBOYS&GIRSLSに収録されている一曲目のDON’T TRUST OVER THIRTYの銀杏BOYZバージョン。

ゴイステは感情を曲に乗せて歌っているように感じたが、銀杏BOYZの大人全滅はテンポも落としてアレンジを変えた事で感情を乗せるというよりは情念が入っている。

言葉の重みが増してくるように感じた。

【5曲目:SKOOL PILL】

これライブで出だしだけ聴くとSKOOL KILLと違いが分からないですね。

最初は周りも「ときめきたいったらありゃしねえー!」と叫んでいました。

でも歌が始まるとみんな切り替えてモッシュが始まりダイバーが飛んでくる。カオス。

まあ、でもそうだよね。

「ときめきたいったらありゃしねえー!」って叫びたいよね。

【MC】

「アルバムを出してからバンドでツアーを回る予定だったがコロナになってツアーの予定は無くなった。

アコースティックで全国回ったけど、ようやくギターアンプフルテンで爆音で僕が好きな銀杏BOYZのライブツアーを迎える事ができて、本当にみなさまどうもありがとさま」

【6曲目:エンジェルベイビー】

ここからはこれまでのカオスな流れから銀杏BOYZのポップでキラキラな曲の流れになる。

「どうして僕 いつもひとりなんだろ 

ここじゃないどこかへ行きたかった」

歌詞の1行目からぐっと私たちの歌にしてくれる。

「ロックンロールは世界を変えて」私の世界をこれまでのものとは別のものに変えてくれた。

「ここにしかないどこかへ」ロックンロールを聴いている「今ここ」とロックンロールを聴くと「どこかへ」別世界に飛べる。

「さようなら傷だらけの青春に」

「hello my friend そこにいるんだろ」ロックンロールは友達、目には見えないけどすぐ近くにいる確信を持っている、ずっと一緒、悲しい傷だらけの思い出にもさようならできる。

【7曲目:夢で逢えたら】

MCからサビを歌い出してからのバンド演奏へ。

MCで「僕が大好きな曲 夢逢え」と紹介してた。

大合唱の中で歌うミネタがとても嬉しそう。

【MC】

「ミネタミネタってだまらっしゃい。

色んな言語化できない気持ちをミネタって言葉で言ってんだろ。

開場から場内で1時間かかってる音楽は僕が作ったミックステープです。

昭和100年宇宙の旅になぞらえて昭和の終わりまでの曲をセレクトした。

ターンテーブルにレコード載せてテーブルにスマホ置いて爆音で流してボイスメモで録音すると部屋の空間の音もぜんぶ入る。

合わせて歌ってる音とかタバコのライターの音とかが入ってる。

大家さんが入ってきて苦情が来てなんとかしてくれませんかと。

隣の部屋の人に今一番謝りたい。」

【8曲目:恋は永遠】

歌い出しで「恋は永遠 愛はひとつ 山下公園のカップル全部◯ねばいいのに」と歌ってからのバンド演奏へ。

「On My Radio  

僕らがいつか 

ロックのライブに行かなくなっても 

ロックは僕らを 

この日の僕らを 

きっと忘れないから」

と歌詞を変えてました。

【9曲目:夜王子と月の姫】

「九月の十一日」を「三月十一日」と歌詞を変えてました。

このエンジェルベイビー、夢で逢えたら、恋は永遠、夜王子と月の姫の4曲はもう、ずっとキラキラしてました。

ここでライブの前半、レコードでいうA面は終わり。

曲の終わりと同時にステージに白幕がかかりそのままアメリカ西海岸ツアーのドキュメント映像が5分ほど流れる。

再び幕が上がり、後半開始。

【10曲目:二回戦】

キーボードの女性メンバーが増えていた。

曲の終わり頃に前方で体調不良の方がおり、演奏を止めてミネタは「大丈夫?具合悪くなったら言ってね、演奏止めるから」と優しく話しかけていた。

事が終わると自然に「Only You Baby」と最後のワンフレーズを歌い、バンド演奏が始まる。

【11曲目:漂流教室】

「ギターを弾いて」を「ベースを弾いて」に変えて歌ってた。

先日訃報があったガガガSPのベースの桑原康伸氏の事が頭をよぎる。

ライブ前の予習でこの曲を聴いている時に、40代後半のミネタはどんな風にこの曲を歌うんだろう。

私も以前より歳を取り、歌詞の受け取り方も変わってきており、この曲は冷めてしまう自分がいるかもしれないという恐れもあった。

そして、サビの「このまま僕等は大人になれないまま しがみついて忘れないんだ」を歌ってるミネタを見た。

ミネタは真っ直ぐに歌ってた。

歌詞に嘘や後ろめたさも無く、40代後半のミネタはあの大きなキレイな目で真っ直ぐ歌ってた。

「このまま僕等は大人になれない」というよりも「このまま僕等は大人にならない」という意思も感じた。

「しがみついて忘れないんだ」

まるで覚悟のように、忘れないために、「大人にならないこと」を選び取ったように見えた。

40代のミネタが真っ直ぐに歌う事で、歌に説得力があった。

【12曲目:パラダイスロスト】

ミネタが曲紹介「新曲、パラダイスロスト」打ち込みから始まるまでミディアムな曲。

【13曲目:金輪際】

ヘビーだけどドラムのリズムがダンスミュージック的というかテクノ的で音に体を委ねる。

体がふわふわした感じ。

【14曲目:ナイトライダー】

マイクスタンドをこちらに向けてお客さんに歌わせる。

後半から出現したステージ後ろの白幕にはライブカメラの映像が大きく映っていた。

ドラムの人が最初のメロディを歌ったあとに涙が流れていたのが印象的。

【15曲目:新訳 銀河鉄道の夜】

後ろの白幕には銀河が映っていた。

「シベリア鉄道乗り換え 横浜で降ります」と歌詞を変えて歌ってた。

昔は気付かなかったけど、新訳 銀河鉄道の夜はぐちゃぐちゃの愛と共にロマンチックに向こうの世界へと旅立つ歌なんだなと思う。

【16曲目:人間】

「人間」「光」「生きたい」の中からどれかは演るだろうと、新しいアルバムから「生きたい」を予測していたがまさかの人間だった。

この曲は歌詞の意味を超えた何かがある、何を言いたいかが明確には言語化できないけど感情として知っているものを吐き出している。

後半で「僕を呼んでる声がした あの日中野サンプラザ広場で見た夕焼けは まるでアナーキーインザUKのように 僕の心を引き裂いた」と言っていた。

【17曲目:GOD SAVE THEわーるど】

「MCからの流れで」救済の歌。

「今夜すべて許して 横浜に来たんだ」と歌詞を変えていた。

【MC】

「いつか横浜スタジアムで7万人入ってライブやりますので見に来てください!」

【18曲目:BABY BABY】

ずっと大合唱。

このアンセム感、オレたちのベビベビな感じ。

めちゃ楽しい。

めちゃ幸せ。

【19曲目:ぽあだむ】

アンセム続き。

「でもあの子さえいれば 銀杏BOYZみたいにポップになれんだ」と歌詞を変えて歌ってた。

【20曲目:僕たちは世界を変えることができない】

本篇ラスト。

前半のインスト部分でメンバー紹介していた。

最後の整理体操のようなハッピーエンド。

【21曲目:少年少女】

アンコールを挟んでMC無しで少年少女へ。「ここにいてもいいから」を「ここにいてもいい」と断言するように歌詞を変えていた。

【22曲目:DO YOU LIKE ME】

少年少女が終わるとメンバーは半分退場し、ドラムとギターとミネタのみ残り、最後はDO YOU LIKE ME。元はハードコアパンクだがファンクな感じでミネタがラップっぽく歌う。

客出しBGMはTHE BLUE HEARTS夜の盗賊団

これもミネタが自室でステレオから大音量で流してスマホで録音した事を思い出す。

ミネタはライブ会場を自分の部屋の空気感にしたいんだろうなと思うと、ミネタの部屋でブルーハーツを聴いているという贅沢な感覚。

最後まで、この空気の中にいさせてもらった。

喜怒哀楽は全部出ました。

なんなら序盤で出し切ったと思う。

「GOD SAVE THEわーるど」の

「すべてのことが起こりますように」という歌詞、

すべて出ました。

ライブ前にはライブが終わった後はどんな気持ちになってるか思い描いていたが、

終わった後はただただ幸福な放心状態。

フェスでフロントエリアでモッシュして腕を突き上げて、フェスに「参戦」してた時の感覚

はー、幸せ。

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